春の体験レッスン、随時受け付けています。
 ただ、既にゴールデンタイムの16時~18時のゾーンは、4月5月のレッスン予約や既存の生徒さんで埋まっています。幼保園の生徒さんは16時前や、小学生以上の生徒さんは18時以降の受付になる場合がありますので、ご了承ください。

 さて、今回は楽器を始めるきっかけについて書いてみようと思います。
 私のきっかけは、幼稚園の先生がピアノを弾いている姿を見て、弾きたいと思ったのがきっかけで、幼稚園の頃から母にピアノを習いたいとせがんでいました。その幼稚園の先生が息子の幼保園の園長先生になっていて、再会した時は本当に吃驚しました。
 ところが、私の家はそれほど裕福な家庭ではなく、一つ下に弟が居るのですが、小さく生まれたのでヘルニアの手術を受けたりで手がかかり、父方の祖父が白血病で入院するなど、およそ幼稚園の時に習う環境ではありませんでした。
 むしろピアノよりも大嫌いなスイミングを強引に連行される(笑)という子供ながらに、やりたいことと違うことに不満をかなり持っていたと思います。
 後にスイミングは好きになり、今も息子をベビースイミングへ連れて一緒に泳いでいるから、嫌々ながらもスイミングを習わせたうちの母は正解だったと思います。

 諦めの悪い私は延々とピアノ、ピアノと言い続けた結果、小学校2年生の夏に電子オルガンを購入してもらって、今も通い続けている師匠の教室へ入会しました。
 ピアノは買えない(置けない)から、電子オルガンでもいい? と母に言われ、もう音楽だったら鍵盤だったら何でもいいと思っていたので、特に楽器にこだわることなく始めました。
 私がずーっと続けて講師になっているのも、いろいろな縁はあったと思いますが、自分のやりたい気持ちと、やり抜く根性と、諦めが悪い執念深さ、チャレンジ精神が揃っていたから続いていると思います。

 昨今では、習い事の低年齢化に伴い、楽器へのチャレンジが1歳2歳から鈴や太鼓を叩かせたり、歌が好きだから、リズムを取っているから……という理由で、保護者の方が習うきっかけ作りをしているように思います。
 私の経験や講師生活での統計ですが、習うきっかけが本人の場合、長続きする可能性は高いですが、保護者がやってほしい思いで始めると半分以上が難しい課題に入った時に「辞める」ことが多いです。
 こども自身がやはり「自分で率先してやる」という方向に行かない限り、続けるのはとても難しいです。
 保護者きっかけで習っている生徒さんには、なるべくお家での練習の仕方、本人への声掛けの方法、難しい所に入った時はお家での練習を強制せず音楽教室で練習して、お家で披露する形をとるようにしています。
 そして、本人が「辞めたい」と思ったら、その理由が何かを探って、課題が難しいのであれば、難易度の低いものを与えて成功体験を積み重ねて、自信を持たせたるスモールステップを採用しています。

 よく、発達障害のお子様にもスモールステップを使うのですが、幼児のピアノでは個人差がとても激しいので、どこまでを理解してどこからが難しいのかを探ります。
 個人レッスンだからこそ一人ひとりに寄り添えることです。
 また、私はレッスンに最初に来た5分間は生徒さんの様子をよく観察して、今日の調子はどうかな?と分析します。
 入室後、シールを貼る→テーマソングを歌う・楽器鳴らす→テキストを持ってピアノ椅子に座る。ここまでが約5分間。
 その日あったことを沢山話してくれる子や、来てすぐにピアノや楽器に向かう子や、練習頑張った報告をしたり、眠そうだったけど歌に入ったら切り替えが瞬時にできたり、子どもたちの反応は様々です。
 大人は大体、天気の話をしたり、時事問題だったり、健康の話、日々の愚痴、仕事の話だったりしますね。
 その時の様子で、話すトーンや説明の仕方などレッスンの流れを組み立てます。

 本人きっかけで習い始めたのに、「辞めたい」と言われたら?
 この場合も、何が原因かを突き止めて、続けられる線引きがどこかを見極めますが、頑なに辞めたいといわれることもあります。
 楽器の練習はとても孤独なので、共感を求めたいけどできない環境であったり、純粋に練習が楽しくなかったりします。
 テキストが進むにつれて、練習はつまらないものになります。やらなくなる。弾けないまま。の悪循環です。
 こういった時は、練習カードや練習の結果が表として見える化してみたり、思い切って辞めてみて、またやる気を取り戻したら復帰してみたり、本人のモチベーションをあげるようにします。
 また、ある程度弾けるようになったから、もういいやと辞める場合もありますし、大人でもやりたいと思って資格の勉強をしてみたけど、思ってたのと違って自分が苦手な分野も覚えなきゃいけなくて、結局挫折したという人もいるでしょう。
 ピアノの練習にもそれは言えていて、反復練習が苦手だったり、算数が苦手なのにピアノで数の計算やタイミングを考えなきゃいけなかったり、右手と左手をバラバラに動かす運動性が苦手でパニックになったり等で、挫折はあります。
 間違ったことを許せない丁寧な性格の子にも、ピアノ練習が苦痛であったり、感覚過敏で不協和音が耳を塞ぎたくなるレベルの子も続けるのは難しいです。
 子どもたちの特性や性格を見極めれば、辞める選択をするのも間違っていないと思います。

 ピアノは弾けたらカッコいいかもしれないけど、日常生活で絶対に必要なものでもないですからね。日常生活で手一杯のときは、しっかりと今の生活をキープして、余裕が出来たら楽器を始めてみると良いと思います。